妊娠中の食事や運動、胎教

妊娠中はどう過ごす?~食事・運動・胎教について~

妊娠中はどう過ごす?~食事・運動・胎教について~

妊娠中の方は、お腹の赤ちゃんの健康のためにも、ご自身がリラックスして過ごすことが大切です。来るべき出産に備えて、妊娠スケジュールを確認しておきましょう。
ここでは、「福岡産婦人科情報館(監修:荘田レディースクリニック)」が、食事・運動・胎教の3つのポイントに分けて、妊婦さんに日常的に気をつけていただきたいことをアドバイスします。

妊娠初期の健康管理法

妊娠中は、病気ではなく生理的なものです。それまでのライフスタイルを大きく変更する必要はありません。
とはいえ、妊娠期特有の症状には、きちんと対処しながら過ごせるといいですね。妊娠中はいつもよりも疲れやすいため、十分な睡眠が必要。規則正しい生活を心がけ、普段の睡眠時間よりも1時間は多く休みたいものです。

生まれる前からパパも「イクメン」待機

生まれる前からパパも「イクメン」待機

仕事をしながら家事も主体的に担っている妊婦さんは少なくないようです。
しかし、身体に変化が大きいこの時期は、思ったように動けないことがほとんど。
そこでご主人の協力が欠かせません。国が推進する「イクメン」を、妊娠中からご夫婦で少しずつ取り入れてみてはいかがでしょう。
妊婦さんの心身の負担軽減が、お腹の赤ちゃんの健やかな成長につながります。

妊娠中の食事について

妊娠初期にもっとも気をつけていただきたいことに、食事の内容があります。
栄養が偏ったり不足したりすると、胎児の発育に影響が出ます。いつも以上に、バランスのよい食事を心がけましょう。
タンパク質や鉄分、カルシウム、ビタミンDなどは胎児の身体をつくるために大切な栄養素ですから積極的に取り入れましょう。また、塩分の摂り過ぎは、妊娠高血圧症候群やタンパク尿を引き起こす可能性がありますので要注意。

特に、初期に摂っていただきたいのが「葉酸(ようさん)」。赤ちゃんの脳神経・神経管の形成・発達に関係する栄養素です。ほうれん草、モロヘイヤ、アスパラガス、いちごなどに多く含まれます。反対に、次のようにできるだけ避けたほうがよいと考えられている食材もあります。

妊娠中にこれ食べていいの?のウソ・ホント
スパイス・ハーブ キンメダイ・マグロ 大豆イソフラボン
香辛料(スパイス)・ハーブ類には、さまざまな健康効果を持つものが多いのですが、刺激物でもあります。悪影響があるとは言い切れませんが、適量であれば、問題はないと考えられています。 厚生労働省によって、一部の魚介類には、食物連鎖によって水銀の蓄積があり、妊婦の食事での摂取量に注意喚起がされています。ただし、特定の魚を続けて大量に食べなければ、大きな問題はないと考えられています。 女性ホルモンと同様の働きをするため健康にいいとされていましたが、高濃度に抽出されたイソフラボンを過剰摂取したことによるトラブルが報告されています。しかし、味噌や豆腐などの食品として常識的な量で食事に取り入れるぶんには問題はありません。
ウナギ・レバー 卵・牛乳・大豆 アルコール
この食材で注意喚起がされているのは、サプリメントなどでビタミンAを継続的に過剰摂取することで催奇形性リスクが高まるという報告を受けてのこと。日常的な食事では有害になるほど多量になることは考えられませんが、念のためほどよいバランスの食事を心がけましょう。 乳幼児の3大アレルゲンとされる卵・牛乳・大豆ですが、妊娠中の胎児のアレルギー発症予防に食事制限が有効化どうかは、まだ十分な根拠がありません。ただし、妊婦さん自身にアレルギーがあり、日常的に除去食が必要な場合は、控えておきましょう。 妊娠中のアルコールは厳禁です。というのも、アルコール分子は胎盤で留めることができず、へその緒を通じて、赤ちゃんの血液にまで流れ込んでしまうからです。深刻な障害につながる場合もありますから、妊娠中はできるだけアルコールは口にしないようにしましょう。
【妊娠中のカフェイン摂取】

【妊娠中のカフェイン摂取】

妊娠中は代謝速度の低下から、カフェインの分解・排泄に時間がかかり、身体にカフェインが留まる時間が長くなります。
さらに、カフェイン自体は胎盤を通過し、胎児の血液中にもカフェインが移行します。
カフェインの有害性については、胎児への影響が「ある」という報告と「ない」という報告の双方で意見が分かれており、まだ結論が出てないというのが実情です。

いずれにせよ、現在取り沙汰されているデータはあくまで大量摂取したケースばかり。
日常的な範囲での摂取では大きな問題があるとは考えられません。
むしろ神経質になって、我慢したりストレスを溜めたりすることのほうがかえってよくありません。
医師によって考え方は異なりますが、一日1~2杯程度なら問題はないとされています。
カフェインはコーヒーや紅茶、緑茶に含まれています。
総量で過剰摂取にならないよう気をつけながら、リラックスタイムを工夫して楽しみましょう。

妊娠中の運動について

妊娠中の運動について

妊娠中はお腹の張りや体重の増加などで動くのが億劫になり、産休などで家にいる時間が長くなると、総じて運動不足になりがちです。
しかし、妊娠中の運動不足で肥満が進むと、分娩時の母子への大きな負担となり、リスクも高まります。栄養をしっかり摂りながら、適度な運動を心がけ、太り過ぎには注意しましょう。

最近は、産婦人科・保健所はじめフィットネスクラブなどでも、マタニティ向けの運動カプログラムが設けられていることがあります。
妊婦体操、マタニティビクス、マタニティヨガ、マタニティウォーキングなど、妊娠中の身体の安全に配慮したものが登場していますので、身近な施設で参加できるものがないか調べてみましょう。

妊娠中に気をつけたい「むくみ」

妊娠中に気をつけたい「むくみ」

妊娠中は、胎児に栄養を十分に運ぶため血液量が増加します。
一方、血流と対をなす、細胞から体液や老廃物を押し流すリンパの流れはゆるやかなままで、水分の排出が追いつかなくなってしまいます。そのため、妊娠中はむくみやすいのです。

むくみを解消するためには、塩分(=ナトリウム、水分を溜め込む原因になりがち)の摂取を控えめにし、塩分の排出を促すカリウムを豊富に含む食材(トウモロコシ、バナナ、キュウリ・スイカなど瓜科の食品)を摂るのがおすすめ。
また、足のむくみには、横になった時に身体よりも足が高い位置になる足枕を使ったり、血流を促す足湯をしたりしてみましょう。リンパマッサージもおすすめです。強いマッサージではなく、身体の末端から心臓に向かってやさしく肌を撫でるようにリンパの流れを促します。横向きに寝て、足を付け根から振り子のようにゆっくり動かす運動もむくみ解消に役立ちます。

健康なマタニティライフのために

健康なマタニティライフのために

妊娠中はとかく健康管理に神経質になりがち。また、いつも通りにといわれても、さまざまな変化に心身ともに翻弄されてしまうことが少なくありません。かといって座りっぱなしも、長時間歩くことも負担となってしまうことがあります。何が正解なのかわからなくなってしまうかもしれませんね。そういったストレスを溜め込むこと自体が妊婦さんにはよくありません。まずは自分の身体と心に正直に向き合って、自分自身が気持ちのよい時間をできるだけ長く過ごせるように心がけてみましょう。

胎教について

胎教について

お腹の赤ちゃんの発育は、妊娠18週くらいには身体がしっかりとできあがり、20週では脳の発達が進むと考えられています。お母さんが胎動を感じ始めるのもこのころで、お腹の赤ちゃんが意思ある存在だと強く意識するようになります。
そこで気になってくるのが「胎教(たいきょう)」。お腹の中にいる時から、やさしい声で話しかけたり、心地よい音楽などで赤ちゃんに良い刺激を与えてあげることが、将来音楽的才能や言葉の発育、コミュニケーション能力の発達に役立つという考え方です。

科学的な根拠となるデータは未だ乏しく、胎教の効果が確実にあるとは言い切れないのですが、お母さんが穏やかな気持ちになったり、幸せを感じたりすることは、お腹の赤ちゃんにとって悪いものではありません。
何より、親御さん自身が、お腹の赤ちゃんを意識して生活することで、赤ちゃんを迎えた時に、親になった実感を強く感じられるのではないでしょうか。赤ちゃんへの何らかの効果を期待するのではなく、お母さんやご家族の皆さんが楽しむつもりで胎教に取り組んでみるといいかもしれませんね。

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