産婦人科の選び方~受けられる診療と病院の種類~
このようなお悩みにすべて対応できるのが、産婦人科です。
産婦人科というと、妊娠・出産に関することを相談するところといったイメージが強いかもしれません。
しかし、産婦人科が対応しているのは、それだけではありません。
女性特有の身体の症状、トラブルや不妊についても相談できます。
信頼の置けるかかりつけの産婦人科を持つことは、女性がご自身の健康を維持したり、出産に向けてしっかり準備したりするのに役立ちます。このページでは、福岡市中央区の荘田レディースクリニック監修「福岡産婦人科情報館」が、産婦人科の選び方についてご説明します。
産婦人科にもさまざまな種類があります
女性特有の健康管理から、妊娠期の健診、出産(分娩)まで、さまざまなシーンで相談できる場所が産婦人科です。
産婦人科には、規模や目的によって、次の4つの種類があります。
総合病院・大学病院
100床以上のベッド数がある医療機関を総合病院といいます。
大学附属の病院(大学病院)はほとんど、総合病院としての機能も併せ持ちます。
総合病院には医師はじめ医療スタッフの人数が多く、内科や小児科など他の診療科との連携も取りやすいことが大きな特徴です。多くの総合病院では最新の設備を導入しており、先進的医療を受けられることもメリットといえるでしょう。
一方、毎回同じ医師に診てもらうことが難しかったり、受診する患者数も多いため、待ち時間が長くなったりするのがデメリット。そして、大学病院は研修機関も兼ねているために、診察・分娩に研修医・学生が立ち会うこともあります。近年は総合病院であっても、産科が相次いで閉鎖したり、分娩数を制限されたりしているケースも見受けられます。出産(分娩)を目的とする受診の場合は、事前に確認しておいたほうがいいでしょう。また、他の医院で受診されてる場合、その医院に紹介状を書いてもらうとスムーズに診察できることが多いです。
産婦人科専門病院
ベッド数が20以上の産婦人科専門の医療機関です。小児科を併設している病院も多く、その場合は出産後、赤ちゃんの健康についても引き続き相談できます。医師や医療スタッフの人数は病院によってさまざまですが、総合病院ほどは多くありません。そのため、同じ担当医に初診から産後までしっかり診てもらえる可能性が高くなります。
ただし、分娩時にリスクがある妊娠・出産の場合、他の医療処置に対応できる診療科が併設されていない病院の場合、対応できる他の総合病院へ転院しなくてはならないケースがあります。産科専門病院では、設備や入院時の食事などが充実していることが多いようです。
産婦人科専門医院(産科専門医院)
ベッド数が19以下の産婦人科専門の医療機関です。規模が小さいだけに、医療スタッフの人数は少なくなりますが、それだけに顔なじみになり、ちょっとした不安や心配ごとも相談しやすくなります。
産科専門医院であっても、分娩には対応していない医院もあります。そのため、分娩時には他の対応病院へ紹介状を書いてもらうことになります。身近な「かかりつけ医」として、里帰り出産(分娩)前の妊婦検診の受診や、婦人科系トラブルの相談などに適しているといえるでしょう。分娩に対応している場合も、リスクがあることが見込まれる場合は、産婦人科専門病院と同様に、総合病院へ転院する必要性が出てきます。
助産院
産婦人科ではなく、助産婦が運営する分娩施設。ベッド数は10床未満で、入院・分娩に対応しています。家庭的な雰囲気で、出産に向けて親身になって精神的なサポートが受けられ、陣痛から出産までずっと付き添ってもらえます。
近年、分娩に対する考え方の多様化から、助産院での出産を希望される方が増えています。ただし、助産院は医療機関ではありませんから、手術や検査などの医療行為は一切行えません。そのため、リスクのない妊娠・出産状態であることが、助産院で出産する条件となります。助産院での出産を希望する場合には、万一のことを考え、総合病院などとの提携があるか事前に確認しておきましょう。
産婦人科選びのポイント
産婦人科の受診時には、自分に合った医院を選びたいですね。今はインターネット上の情報も充実してきていますので、あらかじめ下調べをされる方が多いでしょう。さまざまな情報から吟味して、ご自身が受診する目的を得意とする産婦人科を選びましょう。
産婦人科選びの情報源
- 身近な人からの口コミ
- インターネット上の情報
- タウンページ
- 産婦人科専門の雑誌や書籍での紹介や広告
- かかりつけ医院からの紹介
お産を控えた妊婦さんの場合は、妊婦健診を継続的に受ける必要があります。
現在お住まいの場所ではなく、里帰り出産をされるケースも多いかと思います。
その場合は、妊婦健診を受ける医院から、分娩をする病院もしくは助産院へと途中で相談先が代わることになります。
妊娠後のスケジュールに応じて、安心して受診できる産婦人科を選べるよう、事前にしっかり準備しておきましょう。
また、それぞれの医療機関・施設には、里帰り出産をする旨をあらかじめ伝えて受診するようにしましょう。
お産をする産婦人科を選ぶポイント
- 自分のバースプラン(出産計画)に合った出産方法に対応しているか
- 家や実家からの距離
- 周囲の評判(口コミ)
- 万が一に備え、十分な医療体制が整っているか
- NICU(新生児集中治療室)があるか
- LDR(陣痛から出産・回復までを一つの部屋で行うシステム)に対応しているか
- 24時間・365日体制か
- 医師や医療スタッフとの信頼関係が築きやすいか
- 入院時、個室が選択できるか
このように、出産を目的とした場合は、トラブルやお悩みの相談とは異なる診療体制を想定して産婦人科選びをする必要があります。ご自身が納得し、安心してお産に臨めるよう、事前にこれだけはゆずれない項目などを書き出して、考えをまとめておくことをおすすめします。