妊娠しやすさと年齢｜福岡産婦人科情報館～福岡市「荘田レディースクリニック」監修～

数年前に、35歳を超える女性の妊娠しにくさを取り上げた報道番組が話題になったことをご存知ですか？　女性の社会進出に伴い晩婚化が進み、いざ妊娠したいと思ったときには妊娠しにくい年齢になっており、不妊治療を受診する方が多くなっているといった内容です。例外こそありますが、一般的に妊娠率は年齢が高くなるにつれ低下するというデータがあります。

「福岡産婦人科情報館」では、妊娠しやすさと年齢や、無痛分娩について、福岡市中央区の「荘田レディースクリニック」が監修のもと、ご説明します。

健康な20代後半～30代前半の男女が排卵日に合わせて性行為を行ったとしても、妊娠する確率は約25～30％だといわれています。しかしこの数値は、年齢を重ねるごとに低下してゆき、30代後半では約18％、40代前半では5％、40代後半では1％ともいわれています。さらに、年齢を重ねるにつれ妊娠・出産のリスクは高まり、流産や染色体異常の発生率も高くなります

女性の年齢と妊娠しにくさとの関係には、生活習慣による生殖器官の老化や卵子の老化、ストレスによる女性のホルモンバランスの乱れなどが考えられています。なかでも、先にご紹介した番組でも取り上げられていた「卵子の老化」については、最近まで知らなかったという女性が少なくありません。

女性の卵巣には、生まれたときから卵子の素が500万個ほど備わっています。これが年々減少しながらも毎月排卵され、45歳の更年期を迎える頃には数千個にまで減少していきます。卵子になる素の絶対数が減少するため、健全な卵子が成熟する可能性も低くなってしまうのです。そのため、排卵日のタイミングで性交渉を持っても、卵子の持つ力が弱く、受精しにくいのです。また、受精が成功した場合も、生殖器官の老化が進んでいると、出産までつなげられないことが多いのです。

加齢が原因で不妊率が高まるのは、一般的に35歳以上からだと考えられています。もちろん、妊娠しやすさは個々の身体の健康さ、若々しさにも関係しています。しかし、もし、35歳以上で女性が妊娠し、無事に出産をしたいと臨むなら、産婦人科のサポートを受けながら慎重に進める必要があるといえます。

無痛分娩に興味をお持ちの方が増えているようです。無痛分娩とは、局所麻酔を行ってする分娩のこと。麻酔の量を調整して、母体の意識や感覚を残しながら痛みを緩和し、経膣分娩を行う方法です。麻酔なしの分娩と比べると、大幅に痛みは低減されますが、まったく痛みがないというわけではありません。日本ではまだ広く普及しているとはいえない実施率ですが、アメリカやフランスなどでは、無痛分娩が普及している傾向があります。

無痛分娩には、次のようなメリット・デメリットがあります。