出産に向けて何を準備すればいい?~出産準備品や費用について~
妊娠後期(28週以降)になると、いつ陣痛が始まってもおかしくありません。
破水や出血がある場合は、病院へ行ってそのまま入院ということも。
出産に備えて、入院生活に必要なものは早めに揃えておきましょう。
また、家に戻るときには小さな赤ちゃんを抱えてということになりますから、帰ってからのことも考えて準備したいですね。
ここでは、福岡市中央区「荘田レディースクリニック」監修の「福岡産婦人科情報館」が、妊娠中に準備しておきたい、出産準備品や出産費用についてご説明します。
出産時の入院に必要なもの
陣痛は突然起こることもありますが、ある程度流れや時期を予測しておくこともできます。
出産に備えて決めておきたいこと
- 妊婦検診を受ける医院・病院選び
- 出産(分娩)をする産婦人科選び
- 希望する分娩方法
- 立会い出産やLDR室、個室の希望と対応状況の確認
- 自宅や出先からの病院へのルート確認
- 緊急時の連絡先確認
- 出産費用の用意
入院する際に用意しておくもの
必需品 | |||
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母子手帳 |
健康保険証 |
診察券 |
印鑑 |
入院に必要なもの | |||
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パジャマ・下着 (数日分) |
カーディガンなど (羽織るもの) |
靴下・スリッパ (すべりにくいもの) |
タオル(4枚ほど) バスタオル(2枚) |
腹帯 |
洗面用具 |
箸・コップ |
ティッシュペーパー |
出産前後に必要なもの | |
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お産セット |
ナプキン・洗浄綿・コルセットなど ※産婦人科で取り扱っている場合もあります。 |
産褥(さんじょく)・生理用ショーツ |
お産当日に使うものと、産後に使う大きめのものを用意 |
授乳用ブラ |
授乳時に片方ずつ開放できるものがあります |
赤ちゃん用品 |
退院時用の衣類・おむつ・おくるみ・ガーゼハンカチなど |
これらの準備品は、すぐに持ち出せるよう、ひとつのカバンにまとめて分かりやすい場所に置いておくとよいでしょう。
出産にかかる費用について
出産費用には健康保険が適用されません(帝王切開を除く)。しかし、現在、国や公的機関が補助制度を用意してくれていますので、条件に合致するならきちんと申請し、受給できるように準備しておきましょう。
出産に必要な費用
出費 | 概要 | 金額の目安 | |
---|---|---|---|
妊婦健診 | 出産までの妊娠期間中、平均10回ほど受診することになります。 | 約10万円 | |
出産費用 | 分娩を行う医療機関によって金額が異なります。それぞれの産婦人科の違いについては産婦人科の選び方をご覧ください。 | 総合病院・大学病院 | 約40万円 |
公立病院 | 約30万円 | ||
専門病院・医院 | 約35~100万円 (平均約40万円) |
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助産院 | 約33万円 | ||
マタニティ用品 ベビー用品 |
出産に必要な用品、赤ちゃん用品などを揃えておく必要があります。 | 約15万円 | |
合 計 | 約50~100万円 |
出産で受けられる補助
補助金名 | 概要 | 金額の目安 |
---|---|---|
出産育児一時金 | 国が妊娠・出産に必要な費用をサポートする制度です。健康保険から直接医療機関へ支払われます。出産・入院にかかった費用が42万円を上回った場合はその差分は自分で支払います。また、費用が少なく抑えた分については差分を受け取れます。 健康保険の被保険者もしくは被扶養者であることが条件です。通院中に医療機関へ申請します。 |
1児につき42万円 (死産の場合39万円) |
出産手当金 | 勤務先で健康保険に加入している場合、産前42日・産後56日の産休中に、標準報酬日額の3分の2が支給されます。産後も働く予定で、産休中も保険料を納めていることが受給条件です。出産日から2年以内に勤務先へ申請します。 | 標準報酬月額×(2/3)×98 |
高額療養費制度 | 健康保険が適用される高額療養費対象の処置を受けた場合、1ヶ月の医療費の上限が設けられています。帝王切開などで出産する場合は、この制度が適用されます。自己負担分上限を超えた部分について、約3ヶ月後に還付が受けられます。 ※高額所得者・低所得者の場合は計算が異なりますので、別途計算が必要です。 |
自己負担額上限81,000円 ※ただし1ヶ月の医療費が267,000円を超える場合は81,000円+(医療費-267,000円)×1% |
医療費控除 | 1世帯の医療費が年間10万円を超えた場合、翌年3月の確定申告で還付申請をすると所得控除が受けられます。妊娠の確定診断を受けてからの妊婦健診、通院のための交通費、分娩費、入院費、手術料、薬代などを控除額に参入できます。 | 年間所得やかかった医療費によって金額が異なります。 |
傷病手当 | 切迫流産や妊娠悪阻(にんしんおそ)を理由に会社を休む場合、健康保険から傷病手当が支給されます。勤務先へ申請します。 | 標準報酬日額の3分の2の金額 |
失業給付金 | 失業中で求職活動をしている途中で妊娠・出産をすることになった場合は、特例措置で受給期間を延長することができます。 | 雇用保険加入期間・就業期間給与額によって金額が異なります。 |
この他にも、妊娠・出産・育児を手厚くサポートする補助制度が、各自治体に用意されていることが多くあります。お住まいの地域の補助制度を事前に調べて、補助を受けられるか確認しておきましょう。