現代に生きる人には切っても離せないのがストレスですが、ストレスは妊娠や不妊にも大きな悪影響を与えます。
今回はストレスと不妊の関係、またストレスへの対処の仕方などを見ていきましょう。
ストレスが妊娠に与える影響
仕事や家庭生活など日々のストレスは付き物ですが、ストレスは母体のみでなく胎児にも影響を及ぼすことが報告されています。
まず妊娠初期のストレスによって起こりやすいのは切迫早産です。
切迫早産は胎児の成長が十分にいかないまま陣痛を起こしてしまうことです。妊娠37週目以前頃に早産を行うと胎児の体のパーツが十分に育たないままの出産になってしまい、胎児の命にも母体の状況にも非常に悪影響を及ぼします。
また妊娠中のストレスにより血流が悪くなり、胎児への栄養がうまくいかず胎児の体重が減少してしまうこともあります。
他の研究では、妊娠中のストレスによって胎児が生まれた後にも様々な影響を及ぼすことがわかっています。
まずは夜泣きが増えること。これは出産後に親の体力や精神にも負荷を与えるのでなるべく避けたいことですよね。
またストレスにより子供のアレルギー体質や精神疾患にも影響を及ぼす要素が血液中に流れてしまい、胎児に伝わる可能性も指摘されています。
妊娠中はストレスにも敏感になる時期なので、なるべくリラックスできる環境を確保することが一層重要になるのです。
なぜストレスが不妊の原因になるの?
ストレスなどの精神的要因は同時に不妊などの身体的影響を与えることもあります。
妊娠には黄体ホルモンや卵胞ホルモンなどを含む生殖ホルモンの作用が重要な役割を果たしますが、その生殖ホルモンをコントロールしているのが脳の視床下部です。
しかし精神的なストレスで自律神経が乱れると、視床下部はストレスに対処しようとするので生殖ホルモンの分泌が低下します。
ホルモンバランスが不安定になることによって不妊を誘発してしまうのです。
実は不妊で悩む女性の約3割はこのようなストレスによる不妊であるとも言われています。
ホルモンバランスが崩れると生理周期も乱れるので、妊娠しやすい時期が測定しにくい状況にも陥ります。
またストレスによる不妊は女性側だけの問題ではありません。
男性側にとってもストレスを受けている生活は勃起不全や性機能不全など生殖機能の低下につながる恐れがあります。
そのためストレスによる不妊を回避するには女性側と男性側双方からの対策が必要です。
不妊治療中のストレス発散方法
不妊治療を行っていることでさらに自分を追い込んでしまいストレスを感じる二重のデメリットがあることも考えられます。
ストレスを受けてしまうことは当然のことで回避することは非常に難しいですが、考え方を変えて適度に不妊治療中のストレスを発散していく方法はあります。
ではストレスを発散するために皆さんはどういう方法を取っているのでしょうか?
日々少しずつの取り組みから行えるのは日常生活を規則正しいものにしてみるというものです。非常にシンプルですが結構難しいですよね。
例えば起床と就寝の時間を一定に決めてみたり、コンビニやインスタント食品をやめて野菜中心の生活にしてみたりということから始めるのがいいでしょう。
無理はせず時々甘いものを食べてちょっとしたご褒美も必要です。
またハードなスポーツだけではなくちょっとでも体を動かすことで気分をリフレッシュさせる方もいるようです。
「やらなければいけない」ではなくて「ちょっとお腹がスリムになった!」といいことに注目してやってみてくださいね。
いつもより長めのゆったりくつろげる入浴時間を確保したり、旅行に行って環境を変えたりすることも効果的かもしれません。
どうしても不妊治療を行っていると日々の生活でいっぱいになってしまいますが、「場を変える」というのは日々の生活から一旦立ち止まって気持ちを落ち着けるには最適のようです。
あとはパートナーの方とも悩みを共有してお互いに助け合えるとなおいいでしょう。
ストレスは一人で抱え込むことはなかなか難しいことです。必要であればカウンセリングなどの外部の力を借りることも決して珍しいことではありません。
不妊に対する考え方を変えよう
皆さんはなぜ「妊娠をしたい」のでしょうか?
子どもを持つオプションは現代でしたらいくらでもあります。
例えば血のつながりにやはり重きをおく方は多いように思われますが、子どもへの愛情は血のつながりだけで決まるものではありません。
世界には多くの家庭で養子を取っている方もいて幸せな家庭を築いている方もたくさんいます。血縁によらない家族のあり方がある社会も存在します。
また「子どもがいないと寂しいものだ」ともよく言いますが、本当にそうでしょうか。
子どもがいることで得られるものは確かにたくさんありますが、子どもがいないことで得られる生活や大切な気づきもたくさんあります。
せっかくの一度きりの人生、他の楽しみを見つけて人生を充実させてみるというのも一つの人生かもしれませんね。
妊娠や不妊に影響があると言ってもストレスを受けるのは避けられないものだからこそ、大切なのはストレスとうまく付き合っていくことです。ストレスを受けている自分をまずは受け入れてあげてみてください。それから徐々にストレスをうまく気にしないで良くなる方法を考えていきましょう。