手術で気になるのはその痛みですよね。
この記事では、中絶手術後の痛みと、手術後の注意点などをご紹介いたします。
妊娠初期の中絶手術後の痛み
妊娠初期の中絶手術は、掻爬法と吸引法の2種類のどちらかで行われます。どちらも手術時間は5~20分程度と短く、身体への負担は少なくなっています。また全身麻酔をかけて行うので、手術中の痛みは全くと言っていいほどありません。
では手術後はどうでしょうか。
中絶手術後は、子宮が元に戻ろうと収縮します。この時に、強い月経痛の様な痛みがでることがあります。また術後に処方される子宮収縮剤を内服後、痛みがでる方が多い様です。この痛みは、子宮内に残った血液などを流すために必要な痛みです。
ですが、どうしても痛みが強く、我慢ができない場合は市販の鎮痛剤を服用します。数日経っても痛みが引かない場合は、感染症の疑いがありますので、病院で診察を受けましょう。
妊娠中期の中絶手術後の痛みは?
では中期中絶手術後はどうでしょうか?
中期中絶手術は、薬剤を使用し人工的に陣痛をおこし、出産と同じように胎児を取り出す方法です。
妊娠初期の手術と違うのは、麻酔をしないという点です。
その為、普通の出産と同じ様に陣痛の痛みがあります。また、薬剤により急激に痛みを起こしますので、人によっては耐えられないと感じる様な強い痛みを感じます。
手術後は、数日入院します。
この間に子宮収縮剤の影響で、子宮に突っ張る様な痛みを感じる場合があります。これは子宮が元に戻る時に感じる痛みなので、異常ではありません。しかしあまりに強く感じる様でしたら、医師を呼びましょう。
退院後も、手術後1週間~10日程度は、出血があります。
この時、生理痛に似た下腹部の痛みがあります。これは中絶手術を受けたほぼ全員の方が経験する痛みです。しかし出血が異常に多かったり、我慢できない様な痛みがあったりする場合は病院に行きましょう。
手術後の注意点は?
中絶手術後は数日間安静にしましょう。平均して2~3日後には、普通の生活に戻れると言われます。病院によっては、手術翌日からOKという所もあります。しかし痛みが強い場合は無理せず安静にしましょう。
また1ヶ月程度は、痛みや出血が続く場合があります感染症の危険もあるので、処方された薬を忘れずに飲み、ナプキンをこまめに変えましょう。
入浴は、数日間は控えましょう。病院によっては、手術当日のシャワーを許可してくれる所もあります。あまり熱いシャワーを浴びるのは避けましょう。
湯船へつかるのは、手術後3日~1週間後から可能です。自分の体調によって調整しましょう。
食事の制限は特にない場合が多いです。ですが身体の負担を考えると、刺激物などは数日間控えた方が無難でしょう。また喫煙や飲酒も、身体にとっても刺激となります。中絶手術後しばらくは摂取しない様にしましょう。
そして忘れず、中絶手術後の診察を受けましょう。
心のケアも大切に
中絶手術は、身体だけではなく、心にもとても負担のかかる手術です。中絶手術後、約20%の方が心的外傷後ストレス(PTSD)になると言われています。
またPTSDの原因が中絶によるものである場合、中絶後遺症候群(PAS)になります。このPASは中絶後、様々な精神的な病気を引き起こす可能性があります。
PASの症状は「過剰反応」、「侵害行為」、「抑圧」の3つに分類されます。
過剰反応には、怒りの爆発、攻撃的行動、過剰警戒、睡眠障害、脈拍が急に上がるなどの生理的な反応などがあります。侵害行為には、中絶したことや、子供のことをふい繰り返し考え、手術のことがフラッシュバックする、中絶手術の悪夢をみる、中絶した子供のことを考え悲しみにおそわれるなどの症状があります。これにより、うつ状態に陥ってしまいます。抑圧とは、中絶手術のトラウマから逃げる為に、感情を麻痺させることです。また行動パターンを変化させる場合もあります。
具体的には、中絶手術を思い出す様な行動や活動を避ける、子供と距離をおく、楽しいと思う行動を忌避する、自殺行動などがあります。
このように、中絶手術後、トラウマに苦しむ方は多くいます。
しかし現在ではインターネットが普及している為、顔を合わせずともその悩みを共有できる様になってきました。経験者と語りあうことによって、中絶による心の痛みをケアできる場合もあります。
また病院でも、相談することによってうつ状態が診断できます。
一人で悩まず誰かに話しを聞いてもらうのは、とても重要な心のケアになります。
手術後の性行為について
中絶手術後の性行為は、出血が無くなってからにしましょう。個人差はありますが、最低でも2週間程度は開けるのが望ましいです。しかし再妊娠の可能性は0ではありません。中絶手術後、医師に確認をとってからの方がいいでしょう。
中絶手術後の痛みと注意点まとめ
中絶手術後は数日安静にしたあと、1週間もすれば普通の生活が送れます。しかし痛みや出血状況には個人差があるので、無理はしない様にしましょう。あまりにも強い痛みがある場合は、すぐに医師の診察を受けるのが重要です。