中絶手術の死亡率は?

日本における中絶手術の死亡率はとても低く、ぼぼ0に近いです。厚生労働省によると10万件あたり0.9件とされています。しかし、絶対に死亡率が0ではないことに大きな注意が必要です。

死亡率が低いことこそ危険であることの証

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妊娠中期の中絶というのは多くの医療機関が慎重に行なっています。というのもそうでないと、母体の命が大きく危険にさらされてしまうからです。それゆえに中期の中絶を断る医療機関も少なくありません。
母体を守るために、妊娠後期の中絶は法律で禁止されている点も大きく影響しています。

つまり、基本的に母体が死亡しないように中絶ができるような環境が日本において整っていることになります。
0でなければおかしいところですが、実際に死亡事例というのはあります。

近年の死亡事例

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東京武蔵野市にある産婦人科病院において、2016年7月、母体保護法指定医師ではない医師が手術をしたことで母体である女性が急死したという事件がありました。

2016年には、神奈川県横浜市戸塚区の産婦人科で入院施設が整っていない状況で、妊娠中期の女性の中絶手術を行ない、女性が死亡してしまったという事件が起こっています。
この病院では、妊娠後期に入り変えている中期の女性の中絶を通院で行なっており、その女性が死亡してしまっている事例もあります。

厚生労働省で発表された10万件に0,9件というのは氷山の一角である可能性が高く、また「平成25年度衛生行政報告例の概況」によると、平成25年度での中絶件数は18万件を超えています。分母の母数が多過ぎるゆえに死亡例が少なく見えるという考え方もできます。

環境や医師側がしっかりしていないことが死亡の原因になりうる

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中絶による死亡例の死亡原因というのははっきりと公表されていません。しかし、事例の多くが、医師側の不手際であったり(中絶の資格がない)、中絶をできる設備がないということと考えられます。
中絶を受ける際には、しっかりと設備が整い、母体保護法指定医師のいる施設を選んでいくことが最低条件であることは間違いないでしょう。
また、どのような優れた施設、医師であっても母体が死亡してしまうリスクは0にならない点にも大きな注意が必要です。

▲意外と定着していない中期中絶の入院が必要という規則△

中期中絶は原則として入院が必須です。しかし、中絶希望者の女性の立場を考え、中絶手術初期段階では入院させないという医師がそれなりにいるようです。医師側の患者の立場を尊重しての判断はある程度法律で守られることもありますが、その結果人が死亡しているという事実は見逃すことはできません。

男性側が中絶の深刻さを理解していないことが多い

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女性が気軽に中絶を選択するという話題で大きく騒がれることがありますが、この背景には男性側(パートナーだけでなく性的な接触のみの関係の男性も含む)からの強要や強いプレッシャーを受けていることがあります。

母体となる女性側だけが強くバッシングを受けてしまいがちな中絶ですが、男性側が中絶のリスクをしっかり考えていないことも大きく影響していることは間違いありません。

メディア等では、中絶に関しては母体のみ注目が集まりがちですが、男性側の責任等についても注目していく必要はあるでしょう。

まとめ

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日本における中絶の母体の死亡率は非常に低いです。ただ、中絶の件数に関するデータに比べて、死亡率をまとめているデータというのはあまりにも少ないとも考えられ、死亡率が低いというのはあくまでも、現状でわかっている件数やデータから出てくるものと言えるでしょう。

実際に、中絶に関する死亡事例というのはニュース等で取り上げられています。人工中絶の分母数が大きすぎるがゆえに、母体の死亡例という分子の数が少なくなっている可能性も考えられます。

中絶のリスクというのは、決して低くありません。すべてとは言えませんが、多くの医療機関はリスクを小さくするための医療を提供しています。またそれゆえに妊娠初期での中絶を推奨しています。(もちろん中絶をするのであればですが)

妊娠中期の中絶は、通常の分娩とほぼ同じ処置になります。日本は妊婦の死亡率も非常に低いです。しかし、事故等による死亡率が0になることはありません。

妊娠や出産を安易に考えている人はほぼいないと思います。それと同じ様に中絶も安易に考えてはいけません。結果的に子どもが残るか残らないかが違うだけで、母体に与える影響やリスクは非常に大きくあります。