人工妊娠中絶手術ができる期間はいつからいつまで?また期間別の費用は?

人工妊娠中絶をしていける期間について紹介していきます。
大前提として、妊娠週数が22週目以降は、手術をすることはできません。これは母体の健康という側面から言われていますが、何より母体の健康を守る法律「母体保護法第14条」によって決められています。
つまり、22週以降でも中絶手術をするような場合は、それは違法行為であり罰則の対象になってしまうのです。22週以降の中絶手術をしてくれる医療機関は「少ない」のではなく「ない」ことをしっかりと知っておくことが大切です。

※中絶そのものが本来堕胎罪という犯罪行為にあたるのですが、母体保護法において医師会から指定を受けた医師の元での人工中絶手術は合法となります。

●0週目から13前後週までは妊娠初期として中絶はほぼ可能◆

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0週目から13週目(15週目とする場合もある)は、妊娠初期として扱われ、専門機関も比較的中絶手術を受け入れてくれます。
理由は、母体の健康を守った上で中絶手術の成功率が高く、後遺症なども少ないからです。

妊娠初期での費用について

妊娠初期の中絶費用については、手術自体の費用が10万円から15万円ほどであることが多いです。
手術費用以外には、初診料として約5,000円ほど、検査料金として15,000円ほど、再診料として5,000円ほどが必要です。(場合によっては手術の説明費用として、5,000円ほどが別途必要になります。)

そのため手術費用プラス3万円ほどの15万円から20万円弱が、一般的な初期中絶の費用となります。

15週目を過ぎてくる中期では費用が大きくなる

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15週目を過ぎてくる場合、手術自体が初期よりもずっと大規模なものになります。それゆえに中絶手術を行なえる専門機関の中でも手術設備がしっかりしているところでしか受け付けてくれません。
母体への影響が大きく、中期の中絶手術を積極的に受け入れる医療機関は基本的にないと思っておく必要があります。(初期段階以外の中絶は受け入れないと明確に提示している医療機関もあります)

中期での中絶手術にかかる費用

中期における中絶手術の費用は初期段階での手術の費用の2倍強かかると考えておいて良いです。
20万円~30万円・40万円ほど必要とされることが多いです。

費用が大きくなる一番の理由は入院費です。中期の中絶手術は入院がほぼ必須になります。入院する期間が長くなれば、上記の費用はより高いものになります。

22週目以降に関しての対処方法

22週目以降でも、母体に命の危険性がある場合などは、例外的に中絶手術をしていくことができます。(死産扱いされることもあります。また最大限胎児の命を救うよう努める義務が医療従事者にはあります)
※中絶ではなく、胎児縮小術 回生術などと呼ばれることもあります。

ただ、大前提として中絶をすることは不可能と考えておくべきです。22週目を過ぎた場合、母体も胎児も健康であれば、産むのが母体の義務となります。

しかし、本当にどうしようもない、子どもを愛せない、好きな人の子どもではないという場合には、特別養子縁組や里親制度を利用していくという方法があります。
特別養子縁組みや里親制度などを利用せず、産んだ子どもを放置するようなことがあると殺人罪となる可能性があるので決してしてはいけません。

※特別養子縁組みは、自分の子どもを完全に他の家庭の子ども(法律的に)していく制度であり、里親制度は一時的に子どもを他の家庭に育ててもらう制度であるため、子どもはいずれ自分の元に戻ってきます。

期間別の費用は、必ず確認しておくべき

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初期妊娠の費用、中期妊娠の費用の両方で注意しておかなければいけないのが、提示された金額が手術のみの費用であるのか、それとも検査などもろもろの費用を含んでの費用なのかということです。

医療機関によってはすべての金額を含んだ数字を最初に提示してくれることもあります。もろもろの費用が含まれている、入院費用が含まれている金額と、手術費用のみの金額では、数万円以上の違いが出てきてしまうので注意が必要です。

まとめ

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中絶手術をするのであれば、妊娠初期が圧倒的にリスクが少なく、費用も抑えていけます。
妊娠中期になると、手術ができる医療機関が少なくなり、リスク、費用は大幅に増えていきます。
妊娠後期(22週以降)になると、中絶手術は基本的にできません。中絶手術による対処ではなく、子どもが産まれてからの対処、対策が必要になります。基本的に出産は避けられません。
どうしようもないからと言って、自分で無理やり薬などの方法で堕胎させようとする場合、自己堕胎罪に問われる可能性があります。必ず、自分でなんとかしようとするのではなく、配偶者や相談機関を利用して、対処していく必要があります。