人工中絶をしていく時の痛みには個人差があります。また医療機関の方法によっても差が出てくるので、ここで説明をすることは一般的なものです。
どうしても痛みを感じたくない人は、事前に麻酔の有無について確認することを推奨します。また中期の人工中絶よりも初期の人工中絶のほうが痛みを感じにくい傾向にあることは確かです。
中絶で感じていく痛みについて
人工中絶と言っても、手術中のみに痛みを感じるわけではありません。
非常にわかりやすく言ってしまうと、
・準備の痛み
・術中の痛み
・術後の痛み
ということになります。
準備の痛みというのは、人工中絶手術をしていく際に、子宮の入り口を広げていく際の痛みです。医療機関によってはこの手順を省いていくこともあるようですが、一般的にはこの準備は必要となります。
数日間かけて、医療機器を子宮にとり入れていき、子宮の入り口を広げていきます。妊娠週数によって胎児の大きさが変わるので、胎児の大きさに合わせて広げていく具合も変わります。
胎児が小さければ痛みは小さくなり、ある程度胎児が大きくなっていると大きく広げるため感じる痛みも強くなります。
ただ、強くなると言っても、痛みの程度としてはそれほど大きくありません。痛みよりも子宮にものが入っている違和感や、動きづらさを感じる人も多いです。
準備期間を経て、手術をしていきます。術中は初期であるのか中期であるのかで痛みに大きな差が出てくるので注意が必要です。
妊娠初期における中絶の痛み
妊娠初期の場合、麻酔をしてもらう事さえできれば大きな痛みを感じることはあまりありません。
準備の時よりもさらに子宮を広げていくので、その際に痛みを感じることはあります。
初期の場合、胎児を引っ張り出す吸引法と、かきだしていく掻把法があります。どちらも麻酔が効いている状態で行なうことが多いため、痛みを感じていくことは少ないです。
よく中絶の痛みで「寝ている間に終わる」という情報は、この初期段階での話になります。
初期でも、胎児が小さければ小さいほど痛みを感じることは少なくなり、母体の負担も減ります。
当然その文、リスクも減るため、医療側としても受け入れやすいことになるのです。
ただ、これが中期になると、大きく様子が変わってきます。
中期の場合大きな痛みを呈していく場合も
最近では中期であっても、麻酔等を利用していくこともありますが、中期になると通常の分娩とほぼ変わらないことから麻酔をせず、通常の分娩と同じ様に中絶手術を進めていく場合もあります。
一般的な流れとしては、子宮収縮を目的とした薬を利用し、意図的に陣痛を発生させます。この段階で大きな痛みを感じていくこともあります。
胎児を出していくに当たって痛みはとても大きくなることも多く、母体の負担も大きくなります。
中期で痛みのコントロールをしてくれる場合には、痛みの程度は当然小さくなりますが、中期では「大きな痛み」を感じることが多いということです。
術後は2週間ほど痛むこともある
手術後は、数日で痛みが引く場合もあれば、2週間ほど痛みが続くこともあります。妊娠初期であれば術後の痛みも感じにくく、短期間で痛みはなくなります。中期での中絶であると、下半身に違和感を感じる、痛みを感じる期間は長くなります。
あまりにも痛い場合、出血が止まらない場合には、異常が考えられるので痛みを放置することはしてはいけません。
医療側の技術と、個人差があることが大前提
痛みの程度は個人差が大きく、痛みに強い人もいれは弱い人もいます。そのため妊娠初期でも痛みを感じる人は当然います。
逆に中期でも痛みをそれほど感じない人もいます。
また医療従事者や医師の技術によっても左右されるため、「痛くない」方法が「痛い」方法に変わることもあります。
痛みに大きな不安がある場合には、それをしっかり医師側に伝えていくことがとても大切です。
その際「我慢をしなさい」と言われるか「麻酔を利用する」や「無痛法(痛みをコントロールする方法)」を検討してくれるかで、その後の痛みは大きく変わります。
我慢しなさいという場合には、非常に大きな痛みを覚悟していく必要があります。
近年では「我慢しなさい」という医師は減ってきており、麻酔等を利用して痛みのコントロールを検討してくれる医師は増えています。どのような手段を用いていくかは医療機関によって変わり、痛みに対しての考え方も医師によって変わってくることを知っておくことが大切です。
まとめ
中絶の痛みは、妊娠周期よりも初期のほうが小さい傾向があります。ただ個人差があるのと、医療機関側の技術等によって、痛みの程度が大きく変わる可能性はあります。
中期では強い痛みを感じていく覚悟はある程度必要ですが、痛みについて不安な場合、妊娠初期であろうと中期であろうと、しっかりと医師に相談をしていくことが大切です。